転職活動中や会社を退職する時に気になるのが、残った有給休暇を消化して良いものかということではないでしょうか。可能であると全部消化したいところですが、マナーの観点でもどのようにすれば良いのか悩んでしまう人も多いかもしれません。有給は立派な認められた休暇制度ですが、退職時には堂々ととるのは少々気が引けてしまいます。そこで、経験者の意見をもとに有休消化についてどのようにしたらよいのかご紹介しますので参考にしてください。
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転職先で業務スタートする前に有給はどうするか
退職時に残っていた有給をまとめて取得できるかという問いに対しては、結論としては有給をまとめて取得することは可能です。有給休暇は労働者に与えられた権利ですからまとめて取得しても心配は全くありません。ただし、退職時となると、引き継ぎなどの作業がありますのでそれらの作業をしっかりと行う必要があります。退職前の有休消化パターンとしては2種類あります。退職の前日まで有給休暇を取得し出社最終日を迎えるパターンと、最終出社日の後に有給休暇を取得するパターンです。どちらの方法も合法的で問題はないです。
退職前の有給取得にあたって一番考慮すべき点は職場に迷惑をかけないことです。有給日数の確認や引き継ぎ期間を考慮して有給取得計画や退職日の設定などをすることが大切です。
退職前の有休消化のマニュアル
会社的には、退職前の有休消化に関するマニュアルがあるわけではありません。確認すべき事項は、残りの有給休暇の日数です。有給休暇の取得方法をマニュアル化してご紹介すると以下のようになります。
最初に、有給休暇の残り日数の確認と退職日の設定を行います。この際には有給をまとめて取得する場合は、会社と交渉して合意を得る必要があるでしょう。有休の消化開始日が決定しても、会社によっては有給休暇を取りづらい雰囲気の会社もあります。その場合は毅然とした態度で抗議をしましょう。抗議後も有休が取りづらい会社側の対応があった場合は、労働基準法第136条を根拠に対応を求めることも可能です。労働基準法第136条では、「有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない」と定められています。あとは、毅然とした態度で有給休暇を取得すると良いでしょう。
有休消化後に退職するには
退職前に有給休暇を円滑にまとめて取得するスケジュールをご紹介すると、退職の60日前から45日前程度に残り有給休暇を確認するなどの事前準備をし、会社側に対して退職の切り出しと退職交渉を始めると良いでしょう。退職日の40日ほど前に会社側に有給休暇の取得の申し出を行います。その際には、退職日までの期間に引き継ぎの期間を計画的に設ける必要があります。また、会社によっては有給休暇を取りにくい体質の企業もありますので、有給を使いたいと切り出すタイミングには気を使うようにしましょう。
有給買取制度について
場合によっては、会社側が有給を買い取ることもあります。計算方法としては、「有給1日=月の固定給÷当月の所定労働日数」となります。しかし、有給の買取制度は公的に認められている制度ではありません。有給が残っていて、あなたが有給を消化することで業務に支障が出る場合に会社が申し出てくることがあります。引き継ぎなどの問題でどうしても有給が消化できそうもない場合には、会社の申し出を受け入れるという方法もあります。
また、あなた自身が引き継ぎスケジュールなどの関係で有給を消化できそうもないと判断した場合にも、あなたから会社側に対して、有給買取を申し出ることも可能です。
ただし、これまでの日本の会社の実績を振り返ると、実際に有給買取制度が利用されたケースはほとんどありません。
転職時にキャリアチェンジをしてワンランク上のキャリアを目指す
転職をするにあたり、キャリアアップをするなど、あなたの将来像を明確にすることは大切です。キャリアアップとは、特定の分野について今よりも専門的な知識を身につけて能力を向上させ経歴を高めることです。キャリアアップをする際には、キャリアチェンジをするという手法もあります。これまでの経験を生かして、これまでとは異なる分野にて活躍することがキャリアチェンジです。もし、転職前に有休消化をして長期の休暇が取れるのであれば、その休暇中にキャリアアップやキャリアチェンジの勉強期間としても良いでしょう。キャリアアップをする際には、自分の目指す方向が「キャリアアップ」なのか「キャリアチェンジ」なのかをはっきりとさせることが大切です。最終的にどうなりたいのかという長期的なビジョンを今一度明確に想像して見ることが大切です。長期的なビジョンの一例としては「将来社長になりたい」とか、「世の中に新しい価値を提供したい」などがあります。
会社に迷惑をかけないように準備し堂々と有給を消化しよう
今回ご紹介したように、有給休暇の取得は労働基準法にてしっかりと認められています。会社での引き継ぎ作業などを明確にスケジューリングし会社に迷惑をかけないようにすれば、堂々と有給が取得できます。取得した有給休暇で「キャリアアップ」や「キャリアチェンジ」の勉強期間にしても良いでしょう。有意義な有給休暇が取れるように話を進めてみてください。
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